チベットの旅:青蔵鉄道と太陽の都ラサ・チェタン
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全体行程  2007年3月24日~4月1日
①その1
 ・3/24    日本~北京、国内線に乗り換えて西寧(標高2275m)へ。ここで一泊。
 ・3/25    バス移動。シーニンで市内観光の後、日月山峠3510m、橡皮山峠3817m、
           中国最大の塩水湖である青海湖3200mを経てチャカで一泊。
②その2
 ・3/26    チャカから次の宿泊地ゴルムドに向かう途中でチャカ塩湖に寄って、
           塩を採取。ゴルムド2800mで一泊。
 ・3/27    ゴルムドでチベット鉄道に乗車。5072mの唐古拉峠を越え、約15時間で
           ラサに到着。
③その3
 ・3/28,29 ラサでは3連泊。ポタラ宮、チベット寺院、蔵病院などを観光。
④その4
 ・3/30    ラサからチェタンに移動。カンパラ峠4749mからヤムドゥク湖の湖畔で
           ピクニック昼食。そしてチェタンへ。チベット最初の王宮ヨンブラカン、
           真珠タンカで有名な昌珠寺を観光。
 ・3/31    チェタンのサムエ寺を観光してゴンカル空港に移動、国内線で北京へ。
 ・4/1     北京で一泊して翌日に帰国。


コースと概要  以下、クリックで地図、写真拡大します
 チベット鉄道(西蔵鉄道)の旅、少し前にNHKのドキュメンタリー番組で紹介されました。昨年の7月に営業運転が開始されてから凄い人気だそうです。
 チベット/ラサにはいつか行きたいと思いながらも、高度障害が心配で躊躇していました。でも、この鉄道の旅なら高度順応もしやすいだろうと、エイヤっと行くことに決定。インターネット検索をしたところ、辺境の旅を専門にしているツア会社がいくつかヒットしました。この中でコース設定に魅力のあった会社に連絡、我々の希望する時期にツアを設定できないかと問い合わせました。迅速な対応で企画して下さり、大阪の友人ご夫妻とあわせて4人、まずツアは成立しそうとの事でした・・・が、それどころか最終的には26人の大所帯に(^_^;)。でも、チャーターバスでの移動は大型バス2台に分乗してゆったりでしたし、西寧からとおしの現地ガイド1名に各場所でのガイドもついて、あまり人数の多さは感じなかったですね。

旅の全体図

まずは青海省

続いてチベット自治区
今回お世話になったツア会社はシルクロードなど秘境の旅が専門、トレッキングツアの企画もあるようですが、初めての利用です。
東京から7名と新人の添乗員さん1名に、関空からの19名とベテラン添乗員さん1名が北京で合流。
信頼感のある添乗員さんで、なおかつ女性らしい細やかな気配りもして下さいました。リピーターの方が多いとういうのも頷けます。約半月後には写真入りでツアの記録を送って下さいました。そこに掲載されていたイラスト地図を引用させて頂きました。

添乗員さんのイラスト

ラサ市

チェタン


グリコラミン

パルスオキシメーター

毎朝 健康チェック
高度障害
 
今回のチベット旅行での心配はやはり高度障害。行動をゆっくり、深い呼吸、たっぷりの水に排尿は当然ですが、スイスで販売されている薬?グリコラミン(*)を持参していました。また添乗員さんが毎朝、パルスオキシメータで血中酸素濃度を測定してくれます。頭痛、吐き気などの症状と共に健康手帳に記入しました。
それぞれ症状は違いますが、皆さんやはり多少は出ていたようです。私は少しむくみが出て思考能力の低下(実は、平地でも)、信行はむくみと食欲の低下くらいで済みました。まずは、快適に日本での日常とかけ離れた自然・文化に身を置く事ができました。
*グリコラミン:高山病対策にも使われているアセタゾルアミド(商品名ダイアモックス)と同じ成分を含むキャラメル状の薬?。スノーボーダー用に宣伝してるし、ドーピングとか若年層への使用制限とか色々あるみたいです。

全体の感想
 遊牧の草原、荒野・砂漠、野性のカモシカ・馬などがいる地帯、長江の源流、遠くには雪を被ったコンロン山脈、等々を眺めながら鉄道の世界最高高度5072mを通る青蔵鉄道の旅。そして、これまで地面に足を置いた(^_^)なかでは最高高度4900mの経験。地元の方々との交流、チベット仏教・医学など奥深いチベット文化との触れ合い、チベット自治区と中国の複雑な関係等。色んな印象がごった煮になっています。帰国して半月以上、いまだに心の一部がチベットに残っている感じです。いまもチベットの歴史、チベット密教など調べています。チベット医学の四部医典とタンカを紹介した冊子が見つかって注文しました。大元の本は国会図書館にあるみたいなので、取り寄せも検討中。

行程(その1)  2007年3月24日~3月25日
 ・3/24    日本~北京、国内線に乗り換えて西寧(シーニン)へ。ここで一泊。
 ・3/25    バス移動。シーニンで市内観光の後、日月山峠3510m、橡皮山峠3817m、
          中国最大の塩水湖である青海湖3200mを経てチャカで一泊。

 ・3/26    チャカから次の宿泊地ゴルムドに向かう途中でチャカ塩湖に寄って、塩を採取。
           ゴルムド2800mで一泊。
 ・3/27    ゴルムドでチベット鉄道に乗車。5072mの唐古拉峠を越え、約15時間でラサに到着。
 ・3/28,29 ラサでは3連泊。ポタラ宮、チベット寺院、蔵病院などを観光。
 ・3/30    ラサからチェタンに移動。カンパラ峠4749mからヤムドゥク湖の湖畔でピクニック昼食。
           そしてチェタンへ。チベット最初の王宮ヨンブラカン、真珠タンカで有名な昌珠寺を観光。
 ・3/31    チェタンのサムエ寺を観光してゴンカル空港に移動、国内線で北京へ。
 ・4/1     北京で一泊して翌日に帰国。
○3月24日 関空~北京~西寧
 我が家からはたいへんアクセスが不便な関空、5時の朝一番のリムジンを利用して、集合8時の少し前に到着。春休みのせいでしょうか、成田に比べて人が少ない空港だと思い込んでいた関空も大混雑でした。
 添乗員さんと会ってから荷物を預けセキュリティー検査そして出国手続きへと移動・・・ここで失敗。荷物を預けてから、再集合と言われていたのを忘れてセキュリティーを通過。出国手続きの手前で思い出して、「ありゃ、間違えたよ」と友人ご夫妻の携帯電話に連絡。なんとか繋がって、居場所を申告です。ああ良かった(^_^;)・・・添乗員さん、ごめんなさい。
 北京では、なんと4時間以上のフライト待ちです。近い中国とはいえ、やはり外国への旅となると出入国から乗換えまで時間がかかります。
 やっと、本日の目的地の西寧に到着したのが21時過ぎです。機内食、北京で食事、そして西寧でも食事と、なんだかやたら食べまくりです。
 西寧の空港で見つけた酸素供給の袋?の宣伝画面です。標高はまだ2200mちょっと。でもチベット高原に向かって標高はドンドン高くなっていくからでしょうか。

北京で食事

西寧で食事

酸素かな?
○3月25日 西寧~チャカ
 いよいよ青蔵鉄道のゴルムド駅を目指すバスの旅が出発。西寧からチャーターバスで観光しながらチャカ(1泊)、ゴルムド(1泊)へと移動、ゴルムドから青蔵鉄道に乗車します。列車で一気にラサまで行くのではなく、高度順応も兼ねての観光です。

西寧ホテル

朝の健康チェック
 西寧から出発前の朝の日課として、パルスオキシメーターで血中酸素濃度(正確には経皮的動脈血酸素飽和度)と脈拍数をチェック、身体の状態の自己申告と合わせて健康ノートに記載して添乗員さんに提出します。朝いちの試験です。不合格だと、即、下山ですって・・・実例あるのかな(^_^;)。
西寧の観光
 大型バス2台に分乗、ゆったりと座って出発。まずは、西寧市内の東関清真大寺を訪問。青海地区で最大規模のイスラム寺院モスクだそうで、創建は明の時代だとか。見慣れたモスクとはひと味違った中華風。寺院の裏の路地に回族の市場があり、皆さんニコニコとフレンドリーな感じでした。

東関清真大寺

東関清真大寺

裏の市場

土族の村、カタで歓迎

回転ブランコと踊り

踊り(安昭舞)
 この青海省の省都である西寧の人口は約100万。8割が漢民族。回族、チベット族などの少数民族が共存。
総人口が二十数万人しかいない少数民族のひとつ、土族の村を訪問。入口でカタを首にかけてくれました。
村の中庭で綺麗な民族衣装を着た女性の踊り(安昭舞)と回転ブランコ(輪子秋千?)を見学してから家の中に案内してもらいました。入口で歓迎式なんでしょう、ハダカムギの強い焼酎をお猪口に入れて迎えてくれます。なんでも薬指ちょっと付けて弾く動作を3回するのだとか(ツア仲間の話で、ほんとかどうかは不明)
この地域の名士のお宅なのか、胡錦濤さんが訪問した時の写真を飾ってました。お茶に土族の独特のパン、地酒などを頂きました。

家の中への歓迎式典?

お接待?

 冬虫夏草の看板が多い西寧の街に戻って陶然居という店で昼食、いよいよ青蔵公路をチャカ、ゴルムドへと標高をあげていきます。地図で簡易計測するとチャカまで400Km弱、ゴルムドまでは800Km強くらいかな。日本の本州が端から端までで1300Kmくらいですから、その半分以上の距離です。でも青海省~チベット自治区の地図で見るとほんのちょっと、隣町くらいの距離にしか見えません(^_^;)。
日月山峠、青海湖、チベット族のお宅訪問~チャカ

日月山峠
バスはどんどんと高度を上げていって、約1時間半で標高3510mの日月山峠へと到着。ここには四阿のような日亭と月亭の施設があります。唐の時代に、チベット(吐蕃)へ嫁いだ文成公主を祀っています。
文成公主は、ここで唐に別れを告げ、堰を切って溢れ出た涙が、青海湖へ流れ入る一筋の川となったという伝説があるそうです。70年後には、金城公主が吐蕃に嫁ぎ、やはりここで唐に別れを告げて、日亭と月亭に立ち草原や青海湖を目にして涙したとか。
 漢族の現地ガイドさんの説明では、文成公主は降嫁のような形で吐蕃のソンツェン・ガムポ王に嫁いだそうです。まだ新しそうな日亭の中に壁画がありました。唐の太宗に呼ばれた周辺国の王様達の嫁取り試験の様子が描かれてます。幾つかの試験?に勝ち抜いたソンツェン・ガムポ王に文成公主は嫁ぎ、その時に仏像やら仏画など、様々な進んだ文化を持ち込んだとか。昔から歴史を記述するのが得意な中国ですからどこまで本当なのかは疑問。

日亭

月亭

8世紀の吐蕃勢力図
ソンチェンガムポが吐蕃を統一し唐と接触したのが600年代。この地図は8世紀頃の吐蕃の勢力図。長安、成都の近くまで吐蕃の勢力が及んでいます。長安を占拠した時もあったみたい。シルクロードも支配し、ペルシャまで勢力をのばしたときもあったとか。日本では唐の帝国は強大だったと思っていますが、実は強い吐蕃を唐王朝が宥める形での嫁入りだったのではと勝手に想像。仏教も弘法大師が中国で真言密教を学んだ頃に、チベットにはインドから直接に密教が入ったようです。

 冷たい風が吹き付ける日月山峠を出て1時間ほどで青海湖に到着。標高が約3200m、周囲360Kmで琵琶湖の6倍ほどと中国最大の塩水湖。崑崙山脈の雪融け水を中心に大小32の河川が流入。40年以上前は108の河川が流入していたが、現在85%は干上がってしまって、水位も徐々に低下しているそうです。湖の遠くに見える施設は魚雷の試験基地だったそうです。夏になると、菜の花畑と雪に覆われた崑崙山脈の風景が素晴らしいそうですが、今回は曇り空、かつ全面凍結で真っ白の風景。

青海湖

魚雷試験基地

電気自動車で移動

露店
入口から観光ポイントまで電気自動車で移動。凍結で予定のクルーズはなくて残念。4月の始めに氷の上を歩いた人もいたそうですが、ちょっと怖いかも。湖の真ん中には尼寺のある海心島、西の端には渡り鳥の繁殖地で有名な鳥島があるそうです。遠望がきかずいずれも見ません。観光客は我々だけ、でもチベット族の売り子が待ち構えてました。久しぶりのカモなのか、写真を撮せと(有料)、煩くつきまといます。
青海湖の近くのチベット族の民家を飛び込み訪問。チベット版「家族に乾杯」みたいな突然の訪問にもバター茶などで歓待いただく。裕福なお宅のようでした。ツア仲間の方がそこのお子さんに折り紙をプレゼントして喜ばれていました。この後ヤク、羊の大群のいる放牧地帯を抜けて、

「家族に乾杯」 訪問

ヤクの群れ

橡皮峠

チャカのホテル
標高3817mの橡皮峠からチャカへ。小さな町です。この町で一番のホテル青塩賓館に宿泊。まずはビジネスホテル並でしょうか。山小屋よりはずっと立派ですが、トイレとシャワーのここまで単純化した併設は初めての経験(^_^)。床にしゃがみ込んでシャワーしました。暖房も夜には止まってしまう湯の循環方式でかなり寒かったです。

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