チベットの旅:青蔵鉄道と太陽の都ラサ・チェタン
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行程(その2)  2007年3月26日〜3月27日
 ・3/24    日本〜北京、国内線に乗り換えて西寧(シーニン)へ。ここで一泊。
 ・3/25    バス移動。シーニンで市内観光の後、日月山峠3510m、橡皮山峠3817m、中国最大
           の塩水湖である青海湖3200mを経てチャカで一泊。

 ・3/26   チャカから次の宿泊地ゴルムドに向かう途中でチャカ塩湖に寄って、塩を採取。
          ゴルムド2800mで一泊。
 ・3/27   ゴルムドでチベット鉄道に乗車。5072mの唐古拉峠を越え、約15時間で
          ラサに到着

 ・3/28,29 ラサでは3連泊。ポタラ宮、チベット寺院、蔵病院などを観光。
 ・3/30    ラサからチェタンに移動。カンパラ峠4749mからヤムドゥク湖の湖畔でピクニック昼食。
           そしてチェタンへ。チベット最初の王宮ヨンブラカン、真珠タンカで有名な昌珠寺を観光。
 ・3/31    チェタンのサムエ寺を観光してゴンカル空港に移動、国内線で北京へ。
 ・4/1     北京で一泊して翌日に帰国。

○3月26日 チャカ〜ゴルムド
コースと概要  以下、クリックで地図、写真拡大します
 三日目、チャカのホテルを出てチャカ塩湖を観光。その後は西蔵公路を西に400Km〜500km先のゴルムド・・翌日には青蔵鉄道に乗車するゴルムドを目指します。
 宿泊したチャカのホテル、シャワーと暖房にちょっと不満ありましたが、名誉回復?のためにまずまずの外観を添付しておきます。停車しているバス2台は、我々の乗ったチャーターバスです。
 チャカは蒙古語で塩湖の意味とか。チャカの標高は3200m〜3300mらしく、私の腕時計型の高度計では約3200mでした。ホテルからバスで10分くらいのチャカ塩湖の標高は3104mらしい。

本日の行程

チャカのホテル
チャカ塩湖

取り放題の塩
 湖全体が塩、塩、塩・・・です。見渡す限りの塩で真っ白です。埋蔵量は4億5千万トン。これは中国人の450年分の使用量に相当し、世界中の人間の75年分の使用量に相当するという記事がありました。ガイドさんの説明では、採取作業を休止している冬の間に底から湧き出してきて無尽蔵だとか?。
 取り放題と全員が湖に下りて掘っているところです。表面から数cmも掘ると水が出てきました。
国営の塩工場があり、遥か向こうから掘り出した塩をトロッコで運搬しています。レールの周囲が白いのも塩です。実は、観光用のトロッコもあるそうですが、この季節は未運行との事・・残念。
入口に近い所で採取しましたが、塩層は3層になっていて上面の数cmは雨で溶けた新しい塩、その下はにがりの層、最深部は数万年前にできた原生塩の層。この原生塩の味が良いそうで清朝の頃から使われていたそうです。

トロッコのレール

トロッコ

チベット高原をゴルムドへとひた走る

凍結した無名の河

砂漠と竜巻
この後、バスは青蔵公路をゴルムドへと向かいます。
凍結した河があるかと思えば、砂漠のような荒野では砂が舞い上がり、所々では竜巻が発生していました。
シルクロード方面と同じようにここら辺りで舞い上がった砂も黄砂として日本に届いているんでしょうか。
チベット高原は鉱物、石油・天然ガスなど地下資源の宝庫だそうです。そのために造られた工業都市がゴルムド(格爾木)らしい。西寧から延々と高圧電線が張られています。高圧用の鉄塔は大きく2種類(普通の形と逆三角形の形)があって、ほぼ交互に設置されています(理由は不明)。横には低圧電線も敷設されてます。ゴルムドで変電して高原の各村に電気を送っているそうです。 途中の都蘭で昼食を挟み、砂漠の中をどこまでもまっすぐに続く道路を約6時間ひた走ってゴルムドに到着。途中で五体投地の巡礼に出会いました。

五体投地の巡礼

延々続く道路と高圧線

ゴルムド入口

本日のホテル

ホテル内の展示
チャカから9時間、やっとゴルムドの入口です。街の中には立派な会社施設も拡がっています。本日の予定のホテル(天竜賓館)が改装工事で変更となって塩湖大飯店。街が大きいだけにホテルもチャカよりはずっと快適。ホテルに塩湖から採取した塩の塊を展示してありました。動物、顔など自然の造形(かな?)
余談 ホテル、レストランでの食事で各テーブルに必ず何本かの飲み物がサービスでついてきました。ビール、スプライト、コーラなど。スプライトは何故か高度障害の予防になるとの説もあるとか??

都蘭の昼食時

ゴルムドの夕食時

ゴルムドの夕食

○3月27日 青蔵鉄道:ゴルムド〜ラサ

発車直前の列車
いよいよツアのメインテーマでもある青蔵鉄道への乗り込みです。なんと5:30起床で7時にホテルを出発。駅でセキュリティーチェックを通過して待合所で待機。列車が到着してホームへのドアが開いた途端に、「それ急げ」の指示。大きなスーツケースを持って階段を上り下り。写真を撮す余裕もなく一番近い車両に走り込みです。この写真は、走りながら片手で撮影((^_-)エヘン)。乗り込んだ車両が指定車両とかなり離れていました。大きなスーツケースを押しながら狭い通路を通過していく我々、満員状態ですから、迷惑だったでしょう。

硬座

軟臥

食堂車
やっとたどり着いた硬座の車両。座席は対面方式になっています。片側は対面の2人がけ、もう片側は対面の3人がけです。
車内探検で軟臥を見学。コンパートメントの前は折りたたみイスがついた通路になっています。各コンパートメントは二段ベッドが両側にある4人部屋です。
乗車時間が、北京〜ラサで48時間、成都〜ラサで49時間、西寧〜ラサでも27時間です。軟臥で横になりながらでないとつらいでしょう。我々のゴルムド〜ラサだと朝〜夜の約15時間ですから、硬座で地元の色んな民族の方々と一緒に旅する方が楽しいでしょう。最初はお互いに固まってますが・・・次第にうち解けて、折り紙とボディーランゲージで和気藹々のお仲間。そして、我々の前の席には成都近郷からインドに近い南まで働きに行かれる兄弟。

折り紙交流

仲良くなった兄弟
途中駅から乗車してきた怪しげな坊さん、人民会議の鞄を持ったこれまたあやしげな青年もいましたが、この兄弟は素晴らしい人達でした。連れ合いの片言と筆談で話をしてましたが、次第にうち解けておやつの交換も。詳しい地図を持っていて、色々と説明してくれました。筆談では綺麗な漢字を書かれるし、滅多に使わない複雑な字もすらすらと書かれます。春節で故郷に帰られていて、また植林の作業に1年近く行かれるとか。ラサで下車するときに、スーツケース運び出しを少人数(最初は現地ガイドと私)でしていると、わざわざ戻ってきて手伝って下さり、見送りまでしてくれました・・・大感激です。
乗車して数時間、風火山トンネル(標高4900m)付近で酸素吸引チューブが配られました。座席の下に酸素供給のワンタッチコックがあります。乾燥注意報が出ていた四国が湿潤な雨林帯に感じるほど凄い乾燥地帯なので、湿度0%の酸素を吸うのはなかなか厳しいものがあります(^_^)。なお、パンフレットでは車内が加圧されているとの事ですが、気圧で計る私の腕時計の高度計も列車表示の高度とほぼ一致。オープンにできる窓は一重だし、軟臥の車両の入口も気密にはなってません。加圧はしてないようです。

酸素吸引チューブ

車内の高度表示

出発すぐ日の出

朝日に染まる山

玉珠峰
出発してすぐ日の出を迎え、1時間程で崑崙山脈の一部らしい雪山。玉珠峰を眺めると可可西里自然保護区に入っていきます。トト河までの標高約4600mの平原は、チベットカモシカなど野生動物の生息地。チベットカモシカはニホンカモシカとは違って白っぽく小柄かつスマートな感じです。 長江源流のトト河を過ぎて昼食に食堂車へ。
その後、待っていた最高高度5072mの唐古拉峠の駅をあっという間に通過。次の扎加蔵布で1時間以上も停車(~_~)。

長江源流 トト河

食堂車で昼食

最高高度の駅

扎加蔵布4886m

安多駅

安多駅のホーム

錯那湖
動き出した列車は次の安多駅で停車。小さな街があって乗降客がいました。前述のあやしげな坊さんと青年もここで乗車みたい。
駅を通過して小1時間で標高4594mの錯那(ツオナ)湖です。面積は400平方キロメートル以上もある聖なる湖の一つで、青い水と白い氷のコントラストが素晴らしい。
この那曲(ナクチュ、標高4513m)駅ではホームに降りられました。上記した仲良くなった兄弟と記念撮影をしたり、回りの風景を楽しみました。

ナクチュ駅ホーム

ホームで休憩

下車したお坊さん

停車中の機関車

マチャプチャレに似た山

集落とヤク
停車中の機関車がいました。遠くに見える雪山はマチャプチャレのような形ですね。
また離れたところには集落と放牧のヤクが小さく見えます。
そして、ついに待望の、長年の夢であったラサに到着。22:30、なんと定時です(^_^)。
ホームにスーツケースを下ろす際に、仲良くなった成都の兄弟が手伝ってくださり、更には見送ってくれました。成都の田舎から出てラサで一泊、明日は仕事場であるインド国境の近くまで移動するとの事。疲れているだろうし、明日もたいへんな旅でしょうに大感激です。
下車したホームは薄暗かったですが、駅の構内は明るかったですね。腕時計の高度計では3683m(実際には3650mかな)。

ラサのホーム

ラサ駅

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