徳島:剣山
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行程
 2013年10月2日
  徳島市内=神山=木屋平=垢離取=藤之池本坊(剣山龍光寺)-追分
    6:30                     8:25-8:40
  -一ノ森ヒュッテ-行場から山頂分岐-山頂ヒュッテ・山頂-一ノ森ヒュッテ
      11:05         12:10       12:50-13:20      13:50-14:10
  -追分-林道へー富士の池本坊前=徳島市内
    14:40         15:40

コースと概要    以下、クリックで地図、写真拡大します

カシミールとGPS
久しぶりに剣山のかっての表参道「剣山龍光手と剣山本宮」から一ノ森、剣山を周遊。垢離取から簡易舗装の狭い荒れた林道を剣山龍光寺の山門まで15分ほどの走行。かっては信者が歩いて登った道は登山道として残っていますが、急斜面でかなりキツイので敬遠。これで約1時間の短縮です。 一ノ森から行場に入り、途中の分岐から山頂コースへ。 帰りは尾根道から一ノ森に戻り、剣山本宮の手前から林道へ。
沿面距離が約13Km、累積標高差が約1400mと十分な山トレーニングとなりました


剣山龍光寺 入口

ナナカマドの実

ススキと東宮山
このコース下の入口である垢離取。1960年代頃まで関西を中心に修験道の信者が参集した場所らしく、ボンネットバスがならび、大勢の信者で溢れる写真が残っています。
剣山龍光寺(藤之池本坊)の入口。ナナカマドの赤い実がびっしり。ススキの穂の間に見える三角錐の山は東宮山でしょうか。
入口すぐにある石柱には「藤之池本坊」と彫られています。麓の木屋平の集落に龍光寺がありますから、こちらは別院でしょう。剣山龍光寺とも呼んでいるようです。
藤之池も富士の池と書かれたりもしています。
すぐ横には曰くありそうな「ハミの窟」、なんでしょう?

藤之池本坊の石柱

富士の池

ハミ(まむし?)の窟

水行場

護摩炊き道場

千木のある本堂
剣山龍光寺(藤之池本坊)は剣山修験道の木屋平側の中心寺院。一方、東祖谷側は見ノ越にある円福寺と剣神社が中心。 剣山修験道の本部はこのふたつに別れており、かっては龍光寺側が表参道で、剣山山頂ヒュッテができる前の前身である茶店もこちら側。
この龍光寺の歴史に興味があって少し調べた事があります(URL)
剣山龍光寺の境内を通り、大規模な山腹崩壊で壊れてしまって小さくなった剣山本宮(素戔嗚尊と安徳天皇)を過ぎると本格的な山道になります。
植林を鹿害から保護するための外套がまるで卒塔婆みたいです。

剣山本宮

山腹補修後の植林
実は剣山本宮の名称も入り乱れているようです。
山頂ヒュッテ横の宝蔵石神社を剣山本宮と書いた記事もあります。でも、ここにかって神社はなくて祠があっただけという話もあります。
また山頂から少し離れた「お塔石、御神水」のある大剣神社(素戔嗚尊,安徳天皇,大山祇命)が本来の山頂神社だったようでもあるし。
いまは剱山本宮例大祭 の時に御輿は見ノ越の剣神社から宝蔵石神社と山頂まで来るようです。
かなり融通無碍な神社構成になっているみたいで、関係する木屋平村史とか東祖谷村史を調べても曖昧。

2009年と同じ場所にホウキダケ

追分

大木

ヌタ場
途中、スズメバチらしい蜂の巣がある大木の洞に気づいて、通行止めと迂回路を判るように設定してから中間点の追分を過ぎ・・・
にくぶち峠への分岐をわけると、一ノ森ヒュッテはもうすぐ。

スギゴケの胞子体

アキノキリンソウ

にくぶち峠へ

もうすぐ一ノ森
一ノ森ヒュッテに到着。気温のわりには蒸し暑くて大汗をかき小休憩です。
白骨樹の素晴らしいオブジェ?を観賞してから、今回は行場コースから山頂へ。
流石の花畑コースもシコクブシ、綿毛になったカニコウモリなどしかありません。
穴吹川の源流を通り過ぎ・・・・・、

穴吹川 源流

シコクブシ

シコクブシ 種

ミゾホウズキ 種

行場 の鎖

行場を回り込む
山頂コース

秋の風景
・・・キレンゲショウマが群生する急斜面を登ったところで、今回初めて通る山頂への分岐に入ります。30分もかからずに宝蔵石神社の手前で「刀掛けの松」コースと合流するが、かなりな急登でした。
山頂ヒュッテで冷えた炭酸飲み物(車なのでビールじゃありません(;_;)を調達して、霧に包まれた山頂でお弁当。残念ながら展望はありません。
見ノ越トンネル手前の崩壊地、修復工事はまだまだのようです。

リンドウ

崩壊地の修復工事

山頂

昭和36年
全国登山大会

霧の流れる山頂

天空の回廊

天空の回廊
山頂からは上側の稜線、標高1900m前後の「天空の回廊」を一ノ森へと戻ります。
なかなか幻想的な雰囲気の稜線コースはまさに「天空の回廊」。その先には経塚森、二ノ森と苔むす原生林帯。

天空の回廊

天空の回廊

苔むすオアシス

残り花

昨年の食害跡

一年で枯れた

食害防止の網
残り花のフウロの先には無残なアカカンバの林。鹿の食害です。増えすぎた鹿の食害は凄まじいです。
一ノ森ヒュッテ前で小休憩し、剣山龍光寺から登った道を引き返します。最後の林道とクロスするところで、登山道から離れて林道に入ってみました。

一ノ森ヒュッテ

紅葉

テンナンショウ

迂回した林道歩き

???キク

???

駐車場所
携帯GPSだと分岐点から暫く歩かないとコース状態が見えなかったが、車の駐車場所まで大きく迂回する道でした(^^;)。
垢離取へ戻る林道で立派な雄の鹿に遭遇。他に数頭の小柄な鹿がいたが逃げて雄だけ残っています。あれは雌だったのかな?雌?は右に下り、この後に雄は左に斜面を登った。

強うそうな鹿


垢離取

笹の葉の並んだ一列の穴の正体
今回の垢離取から剣山の山歩きで、初めてのコースの他にもうひとつ探したのが特別な笹の葉です。
歯形のような穴が一列に並んだ笹の葉。
初めて見るとあまりにもきれいに整列していて気になります。
実は、2003年(*)に北海道で気づいてから、何年も疑問を抱えたままでした。
気をつけて山歩きをしていると、丹沢とか中央線沿線の山々などでも見かけました。
  *2003年「羅臼岳~斜里岳~雌阿寒岳:阿寒富士」の山ツアでガイドさんに
   「熊の噛み跡だよ」って、からかわれました。
   「うーん、熊にしては大きさがおかしいな」と半信半疑ながらも取り敢えずは
   信用(^_^;)。
その後、石鎚山系とか剣山山系など四国の山でも、この一列に穴があいた笹の葉は普通に見かけました。 そして、ついに無関係の白骨樹の成り立ちを調べていて、行き着いた面河渓博物館のホームページに出ていました。
    石鎚山系は、ササ類が多く生育・・・ササの葉をよく見ていると、 写真のような「鉄砲痕」が
    確認できます。
         ・・・・
    犯人(答え)は、
      蛾類の「ウスイロカザリバ(カザリバガ科)」幼虫の食痕です。 ササの葉がまだ若い時、
      垂直に巻いていますが、 そこへ、この幼虫が侵入(摂食)してしまいます。やがて、葉が
      開くと横に一直線の穴ができるのです。
だそうです。

出来損ないの穴
長年の疑問は判明していたが、剣山の見ノ越を調べていた東祖谷村史に、この笹の葉の一列の穴の話が出て来ました。
 大正11年の麻植郡誌に「安徳天皇と剣山」の項があって、 「壇ノ浦から逃れた安徳天皇が石立山に登り剣を祀られた。 それが宝蔵石。その後は剣山と呼ぶようになった。 そして、山頂の広い草原は「平家の馬場」と呼ばれ、群生する鈴竹に
    稀に葉を横断する点線状の穴があいている。 これを里人は「馬の歯形笹」
    と呼んで珍重」・・・うんぬん。
山道を歩きながら笹の葉を観察したが、きれいな一列の穴は見つからずでした。