丹沢:寄-雨山峠-ユーシンロッジ

2003年12月20日 CLOSE
行程  寄大橋11:25-鍋割峠への分岐(寄コシバ沢)13:05-雨山峠13:45
     -玄倉林道14:20-ユーシンロッジ14:40

 ネパールでご一緒になった縁で「やぶ歩き会」の忘年会(ユーシンロッジ)に参加させて頂きました。玄倉〜ユーシンの約3時間におよぶ長い林道歩きを考えると、ユーシン方面の山歩きにはなかなか踏ん切りがつきません。今回のように、ユーシンロッジ宿泊であれば、鍋割山方面からも塔の岳の方面からも手軽に行けますし、翌日もどちらかに戻る、あるいは蛭ヶ岳に抜けるなどのコースも可能となります。忘年会を楽しませて頂いた翌日は、未経験の鍋割北尾根を行ってみよう、そして入手したばかりのGPSの効果を試してみようという魂胆もありました。

 ちょっと都合が悪くなり、翌日のコースは中止したので、未知ルートでのGPS有効性の検証は次へ持ち越しましたが、寄から雨山峠を経由してユーシンロッジのコースでGPSを試す事ができました。

 GPSは、ザックのベルトにつけたケースに入れました。ちょうど胸の付近に垂直に立った形となり人工衛星からの電波を受けるには不利な状態です。ザックの上に水平にもつけらるようにしていましたが、着脱が不便で使用しませんでした。このために、コースが谷間である事と相まって記録された軌跡に途切れが出ていました。歩いている時のGPS本体での表示では、途切れている感じはあまりなかったですが、パソコンのカシミールに軌跡を移してみると明確に出てきました。

 行く前に、カシミールと「山と自然の旅」からダウンロードした地図で作ったルート図をGPSに入れてありましたが、実際に歩いた軌跡と200〜300mほど乖離した場所が複数出てきました。沢の右岸と左岸の違いもあります。この差はGPSの小さな画面でも明確にわかりました。まったくの未知コースの場合は要注意ですね。

 帰宅してずれが生じた原因を調べてみました。GPSの精度の問題だとすると、おもちゃにはなっても実用に使うには怖すぎます。山旅の会員でダウンロードした地図、国土地理院の地形図、昭文社の最新版のエアリア(丹沢)を比較してみました。判った事は、
    ・山旅からダウンロードした地図に記載されたコースは、
             国土地理院の地形図に見られるコースと同じである、
    ・昭文社のエアリアに記載されたコースは、
             GPSに記録された実際の軌跡と一致度が高いようだ、
の2点でした。今回のコースは数年前の大雨で大々的に崩壊しましたし、その後も雨のたびに崩落が進んでいます。従って、たぶんGPSの測定結果の精度は充分であろうと思われますが、全ての基になる国土地理院の地形図は現場の変化を反映するのに時間がかかる事、ただ伝統ある昭文社のエアリアの最新版は実際のコース状態をより反映しているらしい事、等が言えそうです。

 とすると、カシミールでGPSに予定ルート図を入れていくときは、実際のルートとは違うと考えて、GPSは参考程度にすべきでしょうね。記録された軌跡を逆にたどって戻れるというのは心丈夫ですが、ほんとはこれもテープなどを使って、はずしながら戻るという事で対応出来ますしね。
 
 以上が、今回の試用での印象です。個人的には面白いので活用したいと思っています。

   下の図、クリックで拡大します

山旅の地図と
実際のGPS軌跡

山旅の地図
のルート

国土地理院
の地形図

昭文社のエアリア