南アルプス:鳳凰三山
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NIFTY山フォーラムの記事から転載。写真は当時のデジカメで写したもの、質も内容ももうひとつ
       ・・・2011/10/05

行程  1999年8月28,29日
  8/28 八王子=韮崎=(タクシー)=青木鉱泉-(ドンドコ沢)-鳳凰小屋
         7:30    8:36   (\6250)  9:40-9:50           16:30
  8/29 鳳凰小屋-地蔵岳-サイの河原-赤抜沢の頭-観音岳
         5:35    6:35-7:10         7:25-7:40   8:50-9:25
        -薬師岳-(中道)-青木鉱泉=(路線バス)=韮崎
         9:45-10:10         14:00-15:30   (\1700)

 前日の金曜日の天気予報は目まぐるしく変わりました。正午まで40~50%もあった山梨県の降水確率は、晴れ時々曇りに変化。ほぼ諦めていた鳳凰三山の予定を復活したのは言うまでもありません。シモンさんのレポを参考にさせて頂きました。山頂の日曜日は予報が良い方にはずれ、素晴らしい快晴、希に見る展望を満喫できました(^_^)。
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日 程:8月28日(土)、29日(日)
山 名:鳳凰三山
ルート:八王子=韮崎=(タクシー)=青木鉱泉-(ドンドコ沢)-鳳凰小屋
     鳳凰小屋-地蔵岳-サイの河原-赤抜沢の頭-観音岳
     -薬師岳-(中道)-青木鉱泉=(路線バス)=韮崎
天 候:8/28晴、8/29快晴\(^_^)/
メンバ:連れ合いと二人
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 殆ど諦めていた鳳凰三山行きでしたが、前日の午後からインターネットの天気予報を追っかけ、「あれー、駄目か。おっ、変わったあ。」と一喜一憂。職場より連れ合いに電話し、決行を決めました(会社で何やってんだか)。
 明けて土曜日、八王子です。流石に、まだまだ大勢のハイカーがいましたが、スーパーあずさ1号の直後のあずさ81号は空席も若干ある状態でした。甲府で大勢が下車しましたが、北岳・仙丈ヶ岳方面に行かれるんでしょうね。列車から鳳凰小屋と韮崎タクシーに電話して予約。この時、噂に聞く小屋の不快な対応もありましたが無視。小屋の詐欺まがい商法の被害を受けかけていた親子連れ(大学生の息子さんとお母さん)を誘って、タクシーに同乗しました。

 青木鉱泉でタクシーを下車、宿の前というか中を通過してドンドコ沢へ。幅広い河原に沿ったコースと山道をたどるコースが合流すると、いよいよ本格的な登りとなります。いやあ一本調子の急登です。ヒーヒー言わされ、髪の毛を伝う汗が、蛇口から水漏れするように流れ落ちてきます。危険なところはありませんし、ペンキ・テープ・標識も多すぎるほど完備してますが、手も動員する急登箇所が結構ありました。しかし、沢と何度もクロスしますし、程良い間隔で滝見物と変化のある良いコースでした。エアリアマップに名前が記載されている滝、南精進湖・鳳凰の滝・五色の滝・白糸の滝は、いずれも落差・水量とも迫力満点であります。滝への脇道を往復する価値はあります。往復と言ってもせいぜい10分くらいですが。

 えんえんと続く急登に嫌になったところで広い涸れ沢の河原に出ました。急に視界も広くなり、正面にはオベリスクが屹立しています。もう手が届くといった感じです。ペンキ・テープに従って、涸れ沢の岩あるいは巻き道を進みます。オベリスクが次第に近づいてきて、「あれ、上まで登っちまうのかな。小屋への分岐を見落としたかなあ」と不安になった頃、左岸の林の中に入り、ちょっとした登りで小屋に到着です。

 テン場と本館に別館、本館の前の広場には大きな木製のテーブルとベンチに水場があります。自炊はこのベンチでする事になります。荷物を置いて数分先の沢に降り、身体を拭いてさっぱりとしてから食事の支度です。メニューというのもおこがましい貧弱な食事でありますが、大自然の中の三ツ星レストランの開店であります。しかし、流石に6時を過ぎると冷えてきまして、7時前に就寝。

 翌朝は、なんとも素晴らしい快晴です。朝食をそそくさと終えて、オベリスクを目指しました。相変わらずの急登ですが、すぐ森林帯を抜けて砂礫帯に出ます。これまた急登ですが、視界が開けて広々とした感じになり快適です。見上げるとオベリスクの大きな岩の塊が天に向かって突き出しています。左に賽の河原を見てオベリスクの直下に到着しますと、なんと槍・穂高までがくっきりと見える好展望じゃないですか。岩の陰になった八ヶ岳はオベリスクによじ登れば見えるようですが、ここは安全のためにパスしました(^_^;)。目の前には甲斐駒ヶ岳に仙丈ヶ岳が悠然と拡がっています。足下にはホウオウシャジン、タカネビランジが、そこかしこに花をつけていました。

 赤抜沢ノ頭の方が視界は広がりそうと、中間の鞍部になる賽の河原に出ると、まだ大人に成りきっていないカモシカが出てきました。足を痛めているようです。ぎくしゃくした動きで、デポしたザックを窺っているふうでした。私たちが近づいたため逃げていきました。折角の食料入手のチャンスを邪魔したかな。
 ほんのひと登りで赤抜沢ノ頭です。予想通りに視界は360度に開けており、八ヶ岳もばっちりであります。目前には王者の風格の北岳、八本歯のコル、御池の小屋、草スベリと一望です。遠く、槍・穂高は、相変わらず稜線をくっきりと見せてくれ、白嶺三山の向こうには中央アルプスも頭を出しています。あまりの展望にまたもや足が止まってしまいましたが、残念ながら今日は帰らないといけません。

 ここから、鳳凰三山の最高峰の観音岳に至る稜線は、砂礫帯に大きな奇岩が林立し、燕岳を思い出します。間近に迫る北岳・間ノ岳・農鳥岳をお供に歩くゴールデン・パノラマコースですね。登り返す急登の登山道の周りにはたくさんのトリカブトが花をつけていました。観音岳でも好展望のため、またもや停滞(^_^;)。地蔵岳で一緒になった高山植物の写真家の方と、「降りるのが、勿体ないですねえ」と暫し雑談の後、観音岳へと足を進めました。
 なだらかな砂礫と岩の稜線を進むと薬師岳に到着。地蔵、観音と違った雰囲気のゆったりとした広い山頂です。また暫く展望を楽しみ、しぶしぶ北岳にお別れを告げて、中道を青木鉱泉へと下りました。

 中道はシラビソの森、クマザサの道と変化はありますが、ここまでの縦走で過重労働を強いた身体が音を上げ始めました。登山道を分断した林道を横切り、更に30分ほど下ると沢沿いの林道に出て、ほっと一息。青木鉱泉まで30分ほどありますが、現金なもので風呂とビールが目の前にちらついて、ラストスパートです(^_^)。青木鉱泉で風呂に入り(1100円)さっぱりとして、季節運行の路線バス(1100円)で韮崎に出ました。

                        HBA01110、横浜のOSK

追記 鳳凰小屋の問題
 ・予約の電話で、強圧的な「入山コース指定」「タクシー会社の指定」の洗礼を受けました。
  押しつけがましい言い方が気に入らないので無視しましたが、韮崎でタクシーに同乗した
  親子連れは、コース指定はおろか山梨交通のタクシーまで勝手に予約されてました。
 ・宿泊手続きの時、帰りのコースが中道だというと、理由も何もなく「夜叉神に降りろ」と
  ひつこく言って、手続きが先に進みません。面倒になり、「検討する」と答えて、やっと
  手続きをさせて頂く事ができました(~_~メ)。
 ・次の軽い関門は、「別館のご推薦」であります。「500円プラスで別館がある」と言って、
  ここでまた手続きが止まります。「なにが違うの」と尋ねても、「いえ、綺麗です」と言うだけで
  要領を得ません。後で、小屋の張り紙を見たらひとりに布団1枚を保証と書いてありました。
  そう言えば良いのに。
 ・帰りに中道コースで一緒になった方も被害を受けたようで、「ドンドコ沢はやめろ」と言われ、
  車を御座石に置くように指示されたそうです。青木鉱泉からの長い林道歩きと、折角の滝見物
  ができなかった事をぼやいておられました。
7:10 八王子     ホームで待つ。7:30のスーパーあずさは満杯。数分後のあずさ81にする。
             こちらだと半分は席が空いていた。
    韮崎      連れ合いと母子連れが、なにやら話をしている。なんと鳳凰小屋に連絡し
             た際にてドンドコ沢コースを止めろと言われ、、タクシーまで予約されてし
             まったらしい。青木鉱泉に携帯で連絡、確認のうえ親子をこちらの予約
             タクシーに誘ってあげた。
9:40 青木鉱泉   1070m。いやあ晴れだ。小屋の前を通過すると森コースと河原コースに別れる。
 -9:50        水のある方が涼しいだろうと選択。これが失敗。かんかん照で暑いのなんの
11:29 滝       1440m。ここら辺りから沢を何度か横切る
12:00 南精進滝   1485m。見事な滝だ。
 -12:30
13:17 鳳凰の滝   分岐から往復、2分くら い。目の前は滑床の滝。奥の滝は雄大。
13:42 5色の滝へ  結構、直登だが、ここら辺りは手も使う。きついや。
14:25 白糸の滝
15:12 五色の滝   地図の半分の時間で到着。森の中で少し肌寒い。シラビソ、ツ ガ??
16:30 鳳凰小屋   下りはどちらだと聞く。中道だというと夜叉神にしろと言って、受付が進まない。
             次は、500円プラスで別館を薦める。なんか要領を得ない。後で、小屋の張
              り紙に「ひとりに布団1枚」と書いてあった。俺達の寝床をバイトに指示する
             やり方も、客を完全に無視。不愉快である。
     食事      荷物を置いて、沢へ。身体を拭く。冷たいが快適。
             小屋の前に水場そしてベンチとテーブル。ここで自炊。次第に寒くなってきたが、
             快適。中で食事が始まったので見に行く。暗い部屋で食べている。カレーだけの
              ようだ。自炊の方がよさそう。

4:30 起床
5:00 食事
5:35 出発
6:38 地蔵山頂   長野から来たという高山植物の写真家と話す。ホウオウシャジンを教えてもらう。
 -7:10         素晴らしい展望で槍ヶ岳、穂高も見える。オベリスクの岩群で八ガ岳方面は見え
             ない。オベリスクに登ろうと思ったが、けっこう厳しそう。諦める。
7:25 赤抜け沢ノ頭
 -7:40         途中の賽の河原、お地蔵様が多数。広い砂礫地になっていて、子供のカモシカが
             現れる。この頭は邪魔のない360度の展望。目の前に北岳がどっしり。その奥に
             中央アルプスが頭を見せ。北アルプスもくっきり。八ヶ岳もばっちり。あまりに素晴らし
             い展望で動けない。
8:05          燕岳のような岩と砂礫の道を下る。ここから急登。トリカブト多し。
8:24 小屋分岐
8:50 観音岳     ここが三山の最高峰。薬師に通じる尾根が広がり、こちらには地蔵まで一望。
 -9:22        間近に迫る白根三山も立派。遠景もばっちりだ。希にみる展望。
             五丈岩もばっちり。写真家のおじさんとまた話す。
9:45 薬師岳     ここの山頂は広い。小屋の人が来ていた。話を聞く。塩見かと思っていたピークは
 -10:10        蝙蝠らしい。塩見は陰になって見えない。ここからの展望も快適で、またまた
             長居する。仕方ないと降り始めようとしたとき、上空に面白い鳥。カイトみたいな印象。
             番、羽に黒い縁取り。後で、鳥博士の田村さんに聞いたらノスリかもとの事。
             タクシーで同乗した母子は夜叉神の方へ行く。写真は中道を先に下っていった。
10:20         砂礫と大きな奇岩の中を下るとツガ?の森。急降下だ。結構疲れる道だ
12:00         熊笹の尾根道
12:02-12:20      休憩と軽食
12:58 林道横切る
13:30 林道     大昭和なんとかの山林部の壊れた小屋
14:00 青木鉱泉  河原の林道。あちゃあ、途中の分岐で間違える。
             待望の風呂、1100円。ビールは中瓶のみ。