栃木:男体山
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行程  1998年11月28日

 男体山に予定通り行くことが出来ました。ふきのとうさん、takeさん情報ありがとうございました。積雪もほとんどなく、閉山後の入口もなんとかなりました(^_^;)。
 28日は暖かかったようですが、流石に風の強い山頂では凍えましたし、途中でダイヤモンドダストも楽しむことが出来ました。
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日 程:98/11/28(土)
山 名:男体山
ルート:宿-二荒山神社-2合目-4合目-5合目-7合目-9合目
     4:50   5:15     5:45   6:30  6:50-7:15  8:00  9:05-9:10
    山頂---7合目--4合目--二荒山神社
   9:30-10:10  11:15    12:10     13:05
天 候:快晴
メンバ:単独
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 中禅寺湖湖畔で職場の検討会がありまして、そのまま帰るのも残念と男体山に足を延ばしてきました。こちら方面は、あまり行ったことがなく、ましてや初冬ともなると雪の状態も心配です。加えて、ガイドブックには、中宮
からの登山は10月25日までと書かれています。こりゃ困ったと、4番会議室に問い合わせましたところ、ラッセルになる積雪はなさそうで、入口もなんとかなりそうだという情報を頂き、勇躍大きなザックを駅に隠しての出
動をいたしました。
 いろは坂を過ぎた辺りの林道入口をバスの窓から見張ったが、確認できず。夕方に中宮を訪問しました。立派な神社です、もちろん門も本格的なもので乗り越えられるような粗末なものではありません。薄暮の中を探し回り、抜け道・踏み跡を見つけ、これで安心と宿舎へと引き上げ。
 さて、翌朝は4時起床。久しぶりにマグライトを頭につけての出発です。旅館街を抜けて照明が無くなると素晴らしい星空が拡がりました。オリオンが皓々と輝いていました。風が強いようで、中禅寺湖が波立つ音、湖畔の手すりが共鳴する鋭い音が迫ってきます。
 昨夕に見つけた踏み跡をたどって石段をおそるおそる登ると、懐中電灯で照らした先に1合目と書かれた旗が浮かび上がってきました。ここから先のコースはわかっていませんが、ほっと一息。1合目から普通の登山道になりますが、照らした足下にはしっかりした踏み跡もあります。まあ良いかと北に直登。途中で2合目の旗も出てきて、ひと安心です。次第に明るくなってきたところで、林道に出ました。3合目、約1600mです。林道を道なりにたどって、4合目の登山道入口で暫し休憩。意外と緊張してたようです(^_^;)。

 林道と別れて整備された笹の尾根道を登り、1800mちょいの5合目にある避難小屋の前で朝食をとることにしました。気温は3℃くらいですが、日光が射してきて暖かい感じです。先ほどから目の前を白いものがチラチラしてま
すが、空は青空。風で飛んでくるといっても、雲が見あたりません。「あっ、そうか。ふきのとうさんから教えてもらったダイヤモンドダストだ。きっとそうだ\(^_^)/」と感激。この後も上に行くに連れて量が増えてきました。

 暫く笹尾根を登ると小石の転がった普通の山道、そして森の中の道となります。林の切れ目から朝日に輝く中禅寺湖と茶ノ木平から半月山、黒檜岳の稜線が見事です。遙か遠くには富士山まで見えるじゃないですか。その左の大きな山系は秩父の方かしら。
 森を過ぎた約2100mの7合目あたりから8合目の少し上までは、岩のガレ場がえんえんと続き、ヒーヒーいわされました。見上げても、見上げても。真っ直ぐにガレ場が続いているんですもの(;_;)。ところどころ溶け残った雪が凍結していますが、危険な程でもなくアイゼンも不要。赤ペンキの印もしっかりありますが、初めてのコースで相当に緊張しました。

 8合目、約2250mの瀧尾神社の小さな祠を過ぎて、やっと岩場から開放されます。所々、うっすらと雪が残っていますが、森の中の整備された道になります。森の主役はコメツガでしょうか。この森を抜けると、「男体山は火山だったんだ」と思い出すような赤茶色の砂礫帯となります。ここで、本日初めての登山者と出会いました。昨晩、志津小屋にひとりで泊まったそうです。私しゃ、暗いうちとはいえ、すぐ明るくなる早朝に出ただけで緊張しっぱなし。爪の垢を頂かなくっちゃあ(^_^;)。
 ところで、この砂礫帯は歩きにくいですね。一カ所、変な矢印に惑わされて、危うく身動きできなくなりそうになりました。泣きながら数mを這いずってトラバース、見ている人がいなくって良かった(^_^;)。
 風を遮るものがなく、身体がぐらつくほどの強風で、気温は2℃くらいですが、体感温度は急激に下がってきました。破れた手袋から露出していた指先が、強烈な痛みを感じるほどです。まばらに生えている樹には霧氷がつい
てキラキラと輝いています。岩にも霧氷(って言うのかな?)がついていました。
 広い山頂には葛城天剣神社が祭られていました。向こう奥の岩に屹立している大刀と関係があるんでしょうか。反対側には大きな神像があり、二荒山大神の名前がついていました。これは、大巳貴命、田心姫命、味耜高彦根命の三柱の総称の筈ですが、雲に乗った神像は一体です。下山して社務所の方に尋ねましたが、どうも主神の大巳貴命の像で、奥様とお子さまは女峰山、太郎山にお祀りしている、と言ってたようです。早口でよくわかりませんでした。
 社務所の横で強い風を避け、スープで身体を暖めている間にも、雲、ガス、青空と目まぐるしく変化しますが、北から西は雲に覆われて展望がききません。女峰山、太郎山、白根山の方はだいぶ雪が降っているのではないでしょうか。南側も遠くは雲がかかったのか、富士山も見えなくなりました。皇海山の周辺の展望はありましたが、寒くて山の同定を楽しむ気力を無くしてしまいました(^_^;)。

 登ってるときは、「ここ下るの嫌だな」とびびってましたが、思ったより楽に下山できました。途中、出会ったのが5組、9人です。意外と少ないのは、たまたまなんでしょうか。ほとんど人にも遭わずに静寂の中、中禅寺湖を眼下に見る展望コースを独り占めしての下山コース、これは良かったです。

 帰りには中宮によって参拝、登山料金の替わりにお札を受けてきました。約8時間の山歩きでしたが、前日の飲み会での睡眠不足と結構ハードなコースでくたくたになって帰ってきました。しかし、暗い中の登り、ダイヤモン
ドダストに霧氷、笹尾根・森・岩・砂礫と変化のあるコースと大いに楽しむことが出来ました。

                       HBA01110、横浜のOSK