北アルプス:燕岳、大天井岳、常念岳、蝶ヶ岳
夫婦で山歩きホームページトップへ
昔の山記録とNIFTY山フォーラムへの原稿をもとにホームページ版にしています。写真も当時のデジカメは実用には遠い性能なので、銀塩のコンパクトカメラと使い捨てカメラの写真がメインになっています。昔の記念写真風で面白みがありません・・・・・2011/09/30

行程
1997年7月21日~23日

○コースと概要  以下、クリックで写真拡大します
  7/21:横浜=穂高駅=タクシー=中房温泉--合戦小屋--燕山荘
  7/22:燕山荘--燕岳--燕山荘--大天井岳--常念小屋
  7/23:常念小屋-常念岳--蝶ヶ岳--三股=タクシー=豊科=横浜
山歩きしながら手帳に書いているメモの抜粋を添付→メモにジャンプ
             (2011/09/30:以前はこまめに、しっかりメモしてたなあ(^_^))

 ハラハラさせられた梅雨明けもばっちり、午前中は快晴に恵まれ大展望を満喫、山小屋もゆったりと快適でありました。早くから休暇を仕組んだ甲斐があったというものです(^_^)。
 昨年の夏に奥穂高から向かい側の稜線を眺めながら、連れ合いと「行きたいね」と話し合った待望の燕岳-大天井岳-常念岳-蝶ヶ岳を散策してきました。
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日 程:7月21(月)、22(火)、23(水)
山 名:燕岳-大天井岳-常念岳-蝶ヶ岳
ルート:
  7/21:穂高駅=タクシー=中房温泉--合戦小屋--燕山荘
        10:11 7120円   11:00-11:15  14:37-15:00  16:20
  7/22:燕山荘--燕岳--燕山荘--大天井岳--常念小屋
         4:40  5:00-5:30  5:47-7:00  10:17-11:07   14:40
  7/23:常念小屋-常念岳--蝶ヶ岳--三股=タクシー=豊科
        5:00    6:25-7:00  11:20-12:25 15:25  5590円
天 候:快晴~晴
メンバ:連れ合いと二人
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1日目
 ̄ ̄ ̄
 山に行くのは6月末に丹沢に行って以来です。梅雨明けも念願通り。もう期待で胸が一杯であります。中年おじさんといえども、朝早くからソワソワするのは当然ですよね。八王子でスーパーあずさに乗り、11時には中房温泉に到着。穂高の駅前で中年男性から同乗を頼まれました。この方は、1週間も滞在し、我々と同コースを縦走の後、穂高連峰に行くとのこと。初日はゆったりと中房温泉泊まりだそうです。いやあ優雅ですねえ。自分も休暇をとっておきながら、心の片隅に嫉妬の炎がちらり・・なんてね。
 3連休の最後の日だけあって、大勢の下山者と出会いました。学校の集団登山もあって、小屋は相当の混雑であったようです。下りてくる人から話を聞いて、「にんまり」とする我らであります。坂上田村麻呂が大鬼を退治したという伝説の合戦小屋を過ぎると、コイワカガミ、アオノツガザクラ?、ミヤマキンバイ、ハクサンフウロ等々の花が迎えてくれます。シャクナゲは咲き始めたところ、これからといった感じです。冷夏との関係で話題になっているコバイケイソウも集団でこれでもかと花をつけています。
 燕山荘には200人くらいの中・高生が入っており、まるで蜂の巣をつついたように賑やかであります。ただ、一般客が少ないものですから、左右を薄い板で仕切られた我々の部屋?には4人、混雑期にはおそらく12人以上は詰められる所に4人ですぞ(^_^)。畳が見える状態で布団を敷いて、ひとつの布団にゆうゆうと手足を伸ばせました。夕食の後には小屋のご主人のアルプスホルンの演奏と話がありました。事故が続いているので注意してほしいとのことです。

2日目
 ̄ ̄ ̄
 日の出を見ながら燕岳への稜線をほんの20分で山頂に到着。素晴らしい展望です。穂高から槍はもちろん、裏銀座の山々の大パノラマが迫ってきます。あれは立山、あちらは鹿島槍ヶ岳だと大騒ぎしましたが、低い雲が360度に亘って拡がり、富士山・南ア・八ガ岳の方面を隠していました。
 今日は常念小屋までの予定です。あまり早く着いても仕方ないと、のんびりと朝食にお茶を楽しみ7時に出発しました。燕山荘から常念小屋にかけての砂礫帯はコマクサの群生地なんですね。こんなにたくさんのコマクサが咲いているのを見るのは初めてです。イイワツメクサ、シナノキンバイにキンポウゲ(どっちがどっちだか、すぐ忘れてしまう(^_^;))、ミヤマダイコンソウといった大所に混じってイワギキョウ、ハクサンチドリ?もちらほらと見られました。
 大天荘に荷物を置いて、今回の縦走での最高峰になる大天井岳2922mに往復しました。ガスが出てきはじめて遠望はもうひとつですが、ガスのかかる槍も雰囲気があって良いものです。縦走の間、青空ににょきっと突き出した穂先を見続けてきたもので、贅沢を言っています(^_^)。
 東天井の巻き道を通過した廃道との分岐で昼食、エネルギー補給をして長~い稜線を2時間かかって常念小屋に到着。予定より30分の超過であります。あちこちで花にトラップされたと言いたいところですが、思ったよりアップダウンがあって負荷がかかったようです(^_^;)。燕近傍は砂礫でしたが、大天井付近からは瓦礫と岩に山の雰囲気が変化して、多少歩きにくくなったせいもあるかな。
 さて、常念山荘にも中学生の集団登山が入っておりました。燕山荘より収容人員が少なそうで、いよいよ持参したシェラフの出番かと思いましたが、表示定員14名の部屋に6名とゆったり、ひとつ布団にひとりでありますよ!!

3日目
 ̄ ̄ ̄
 小屋の自炊場で朝食をとり5時に常念岳を目指す失敗をしてしまいました。ここは、朝食を弁当にして常念岳の山頂で日の出を迎えるべきでありました。もっとも、暗い中で岩の積み上がったような登りを無事に通過できたかどうか。目印を見落とし一時的にコース外に出てしまい、グラグラする岩を落とすまいと冷や汗流しながら登る羽目になっちまいましたしね。
 天候は更に安定し、山頂からの展望は見事でした。中央アルプスに御嶽、南アルプス、富士山、八ガ岳・美ヶ原高原、浅間山、四阿山、飯繩山、妙高に火打方面とばっちりであります。もちろん、鹿島槍ヶ岳、白馬方面、剱・立山・龍王岳と北アルプス北部もくっきりと見えます。笠ヶ岳、双六岳方面は燕岳から眺めた山容の方が良かったですね。こうやって眺めた山は次に行きたくなります。双六岳方面に手軽にアクセスできるコースがあれば教えて下さい_(..)_ペコリ。
 しかし、常念岳から蝶ヶ岳の縦走コースは長いですねえ。強い日差しの中のアップダウンの連続にはヒーヒー言わされました。途中の2592mピークの近傍は森林帯で日陰にほっとします。この辺りにはニッコウキスゲとハクサンフウロが群生してました。ニッコウキスゲは蕾が多かったですから、最盛期はこれからでしょうね。
 やっとたどり着いた蝶ヶ岳で昼食、小屋の公衆電話からタクシーを予約しました。ここで二つ目のミスをしました。疲れているのを忘れてコースタイムに10分の余裕しかつけなかった。このミスが、最後に大きな負担に・・・(;_;)。100人近くの集団登山に遭遇し通過待ちをしたうえに、やはり足が思ったように進みません。このままだとタクシーの予約時刻に30分は遅れそう。連れ合いはぶつくさ言い出すし、タクシーに見捨てられると明日の出社が危なくなります。仕方ありません。連れ合いには「ゆっくり来て良いよ」と言い残し、取り敢えず走り下りることにしました。日帰りの山歩きでは時々やってますが、3日目でいつもより重い荷物を担いでの条件は流石に効きました(^_^;)。しかし、やってみるもんです。なんと、駐車場に走り込んだその時に、タクシーが入って来るというグッドタイミングでした。もちろん将来の家庭平和を考慮し、荷物を置いて連れ合いを迎えに戻ったのは言うまでもありません(^_^)。

追記
 ̄ ̄
 展望に花、そしてゆったりの小屋に恵まれたうえ、最後の走りが効いて気持ちの良い(^_^;)痛みを抱えての出社もできるという贅沢な山遊びとなりました。

                       HBA01110、横浜のOSK
中房温泉 登山口
合戦小屋
燕山荘
燕岳から展望
燕岳から
大天荘、大天井岳
大天井岳から常念岳
常念岳展望
常念岳から
蝶ヶ岳
山歩き中のメモより
7/21
  7:00八王子・7:30スーパーあずさま=9:38松本=9:46の大糸線=穂高
 10:11 穂高で予約タクシー(中年男性が同乗の申し入れ)
       途中の林道沿いの力水、手にかかる水が痛いほど冷たい。うまい。
       同乗の男性は燕-蝶に行った後、上高地から穂高、岳沢と1週間も。
 11:00 中房温泉(タクシー7120円)
       中房温泉は素晴らしい所らしい。 40・50箇所くらいに温泉が点在、河原の露天も。
       温泉入口を左に分岐すると登山道。
 11:15 出発-11:45 第1ベンチ-12:17 第2ベンチ-12:55 富士見ベンチ-14:37 合戦小屋
 16:20 燕山荘
       小屋の手前にはコバイケイソウの群生、白い花を付けている。
       コバイケイソウが盛んに花を付けると冷夏という話しがNIFTYで話題に。
       定番の黄色の花、シナノキンバイ、ミヤマ キンポーゲ、ミヤマダイコンは真っ盛り。
       ハクサンフウロ、コイワカガミ 、コケモモ等も今回の縦走中を通して真っ盛りだ。
       燕山荘には中高校生が200人もいてごったがえしている。賑や かだ。
       幸い一般客は少ない。部屋割りを待っている間に生ビー ルを飲む。流石に寒くなる。
       部屋は別館の方へ、結局は夫婦1組の4人だけ。
       夕食まで時間があり周りを散策。砂礫帯なんだ。小屋の周りにコマ クサを見付ける。
       食後、隣の休憩場所で夜のミーティングを待つ。アルプホルンの演奏だ。
       なかなか面白い主人で話もうまい。20:30頃に終わる。
       外に出ると、星空が奇麗。北斗七星、カシオペアを見付ける。
7/22
  4:00 起床-4:40 出発 空身で楽だ。
       もうすぐ日の出だ。途中の稜線で迎えられるだろう。
  5:00 燕岳
       砂礫の稜線を行くと、少し岩っぽいこぶを二つめが山頂だ。ここは岩山。
       遠くは低い雲が出ており、富士山、八ガ岳といった遠望はないが、
       鹿島槍、立山方面はOKだ。裏銀座は一望 、
       山頂の広い双六そして台形に突起が出たような笠ヶ岳。槍はあからさまに天に突き出し、
       小槍も見える。槍から穂高への稜線もばっちり。
  5:47 山荘
       自炊小屋に入り朝食だ。誰も来ない。本館に戻り挨拶して出発。月がかかる槍の写真を撮る。
  7:00 出発
  7:44 蛙岩
       途中の稜線にはコマクサがいっぱい。こんなに多数のコマクサを見るのは初めてだ。
       蛙岩を過ぎてから次第に岩々してき始める。
  8:05 大下りの頭 
       稜線を通して左右にコマクサが凄い。途中まではロープで保護。名前通りここから
       どーんと下っていく。
  9:35 鎖場
       今回のコース唯一の鎖場。短いが歩きにくい。
  9:44 切り通し
       東鎌尾根に繋がる喜作新道への分岐。喜作レリーフあり。岩場を大天荘目指して登っていく。
 10:17 大天荘
       大天井岳を巻いて瓦礫石の中を登り切ったところが広場、山荘。ベ ンチで休みジュース。
 10:40 大天井岳
       岩場を登っていくと山頂、2922m。今回縦走の最高峰。ガスが出ていて、
       近場の穂高~槍が見える程度。頂上に祠。
 11:07 出発
       ここに東京女子医大のテントが移動してきていた。ここらから山は瓦礫っぽくなっているが、
       コマクサは依然として多い。
 12:02 東天井下
  -12:45 まっすぐ行く道が廃道になり左に下る。ここで昼食。ガスに火がつきにくくて往生する。
 14:40 常念小屋
       ここまでが長い。ユッタリではあるが、アップダウンもあり疲れる横通岳を巻くと常念岳、
       蝶ヶ岳までの稜線が広々と見える下りになる。ここで脇見した連れ合い久子が仰向けに転ぶ。
       右が斜面になっているので危ないところだ。やっと下に見えてきた小屋の屋根を見下ろし
       ながら最後の一踏ん張り。途中、石を積み上げた室がふたつあった。
       なんと、ここにも学校登山。小屋が小さいようだし不安。まずは生ビール。案内された部屋
       は定員14名。でも6つの布団で一杯になる感じだ。まだ誰もいなかったが、部屋で着替え
       しようと荷物広げていると、息子をつきあわさせた初老の女性が入ってくる。生徒も入れると
       言われたと混み方にぶつくさ言っている。からかわれたんじゃないかな。
       汗を拭いて着替える。戻ると、もう一組の夫婦。これで6人だ。
       外に出てみるがガスが出ているせいか、時々日が射す時以外は寒い。
       晩飯を待つ間に、土間のロビーで花を調べる。緑色のスズランのような花をつけるのが、
       アオノツガザクラ。白の小さな花のイワツメクサ。紫のチシマギキョウ、花が光沢持ったのが
       イワギキョウ。大きさの順番にミヤマダイコンソウ、シナノキンバイにキンポウゲ途中でおばさん
       に教えて貰ったハクサンチドリ。ここの食事も良かった。
       終わった後、弁当を待つ間、ブランデーを飲む。
7/23
  3:50 起床    山頂で日の出を迎えるのであろう生徒達が3:00よりうるさくなる。
  4:15 朝食    昨晩の弁当を自炊室で食べる。
  5:00 出発
       岩山で歩きにくい。途中でペンキを見落とし、コース外へ。岩がグラグラして歩きにくい。
       途中で、同室の息子とお袋さんに会う。弁当を持って山頂に出るべきであった。
  6:25 常念岳
 -7:00   ひとつコブを越えると山頂になる。山頂直下で下りてくる生徒達と遭遇する。展望をと思って
       気がせいているのに待たされる。こっちが優先なんだけどな。山頂にもまだ半分くらいが残っ
       ている。雲海はあるが、夏にしては素晴らしい展望だ。富士山の左右に八ガ岳と南ア。
       更に中央アルプス、御嶽。八ガ岳の手前は美ヶ原高原、浅間山、四阿山、飯繩山、
       妙高に火打方面とばっちり。もちろん鹿島槍ヶ岳、白馬方面、剱・立山・龍王岳と北アルプス
       北部もくっきり。笠ヶ岳、双六岳方面は燕岳から眺めた山容の方が良かった。祠にまた5円
       を置いて出発。なんか、かなり急な岩場だ。
  9:14 2594m
       それにしても結構なアップダウンだ。きついよ。ここは森林帯になっていて、日差しから
       逃れられる。ここからの下り斜面にはニッコウキスゲとハクサンフウロが多い。
       カロリーメイトの補給。少し元気が出る。途中の下りでクルマユリに初めて遭遇。
  9:37 鞍部
       赤色の土の色であろう、血の池とでも言うような沼がぽっかり出てくる。なんとなく不気味。
       2480m。地塘。
 10:40 2664m 蝶槍は巻き道を通る。結構岩場が多い。岩のペンキが消えかけている所もあって、
       気をつけないと迷いそう。実際、前を行く男性が谷に下りていく方へ引き込まれて戻ってきた。
       それにしてもアップダウンがきつい。山頂も広いし、悪天候では注意が必要。
 10:54 横尾分岐
       瓦礫を突き上げたようなピークを横に見てやっと山荘に近づく
 11:20 蝶ヶ岳
       いやあ、まいった。工事中のヒュッテの前に荷物を置いて空身で山頂へ
       徳沢へ下る草尾根があり。もう、展望は十分楽しんだし、遠望も効かないので
       すぐヒュッテに戻る
 11:40 ヒュッテ  前のベンチで昼食。奥さんがばてかけていた夫婦が到着。奥さんの
 -12:05  目がもうダメという感じ。タクシーと家に電話する。3時間で下ることにしたのが失敗で、
       最後に走る羽目になった
 12:34 大滝山分岐
 14:20 まめうち平
       うーん、予定時刻につきそうもない。しかし、もうメロメロだし、スパートできそうもない。
       山行き中を通して携帯は駄目だし。しゃあないと、この少し先で連れ合いを後に走り始める。
       やればできるものだ
 15:00 力水    うまい!!
 15:07 つり橋
 15:15 第1駐車場
 15:25 下の駐車場
       ちょうど、タクシーが入ってくる。グッドタイミングだ。運転手に話をしてからUターン、連れ合い
       を迎えに行く。思ったより来ていて、上の駐車場の手前で落ち合えた。
15:40 直ちにタクシーで駅へ。5590円